先史時代のインド文化 D・H・ゴードン著
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『火の起原の神話』に続く古代文化研究書の翻訳。1961年、インドの民俗芸能を視察するために訪れたボンベイで原書を手に入れ、翻訳に着手した。
「これまでの学者たちが、国家、民族あるいは部族間の戦争、闘争、侵掠移動などを扱う時、それはただ知識として観念的に理解するだけで、『生きたもの』として立体化されてはいなかった。ところが(軍人であった)ゴードンの場合、一つの遺跡をとらえても、どこが主戦場であったとすれば、どの辺に後方部隊があり、そこに資材・糧秣の集積があったはずだとか、ここに主力がいたとすれば、その先遣部隊はどのあたりか、というような考え方をする。ゴードンを読んで、古代の民がさながら現実に生きているように錯覚されるのは、こうした把握がじつに適確だからだ」(あとがきより)
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1972年12月 紀伊國屋書店
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